大阪府が、先端技術で住民生活の質を向上させるスマートシティーを2025年大阪・関西万博までに実現するため、今年8月をめどに協力企業を加えた会議体を発足させることが5日、分かった。新型コロナウイルス収束後を見据え、健康医療分野を中心に業界ニーズを社会課題の解決につなげるプラットフォーム(基盤)を構築。自治体が持つデータをビジネスに活用する環境を整え、ベンチャー企業の育成も目指す。
府が4月に創設した「スマートシティ戦略部」の坪田知巳(ともおき)部長が、産経新聞のインタビューで明らかにした。
坪田氏はコロナ禍がもたらす社会変革や行動変容を念頭に「個人情報のデータを公的利益のために社会にフィードバックすることが自治体とスマートシティーの役割になる」と述べた。
コロナ禍の収束後は「企業が社会課題の解決を自らのビジネス目標にする動きが広がっていく」と想定。企業と自治体が連携する仕組みとして、ベンチャーを含む協力企業をセミナーなどで募り「8月ごろまでに推進会議体を作りたい」と表明した。
坪田氏は大阪・関西万博を見据え「健康医療分野を大阪のスマートシティーの一丁目一番地にしたい」と強調。膨大な個人の健康診断データなどを集約して活用する考えを示した。
ベンチャー企業の育成については「斬新な技術があってもそれを生かすデータがなく、チャンスをつかめない企業を見てきた。自治体のデータを公開して支援し、企業がビジネスモデルを作りやすい環境を整えたい」と語った。
坪田氏は同志社大卒業後、昭和59年に日本IBMに入社。常務執行役員と大阪事業所長を務め、今年4月に民間出身者として同部長に就いた。
坪田氏のインタビューの詳細は次の通り。
--部内に新型コロナウイルス対応の専門チームを設置した
「コロナ禍でスマートシティーを考える前提が変わった。不可逆的な行動変容が起きる。テレワークなどのリモートや非接触が当たり前になり、東京一極集中の社会構造の必要性が薄まるのではないか」
--ICT(情報通信技術)を活用している
「当初は感染者1人に府や保健所、医療機関がバラバラに電話対応していた。データベースを作り、どういった症状の人がどこの病院、ホテルにいて症状がどう変化したかが一目で分かるようにした」
「保健所が個別に聞き取っていた最初の症状や感染経路などは、感染者がそれぞれスマートフォンで入力する運用にした。ホテルなどで療養する軽症患者には1日2回、体調の変化を入力してもらっており、保健所の負担を軽減できた」
--集めたデータは
「スマホを使える患者に持病や既往症、職業、テレワークをしているかなども尋ねている。患者の協力を得てデータを分析し、どういった属性の人が重症化しやすいかという傾向を導き出したい」
--個人情報の扱いは議論になりそうだ
「日本は個人情報を国家や企業が管理する方向にいかないのではないか。データを集め、公的利益のために情報を社会にフィードバックすることが自治体やスマートシティーの役割になるだろう」
「コロナ禍によって企業が社会課題の解決を自らのビジネス目標にする動きが広がっていく。企業と自治体が連携し、成長サイクルが回る仕組み、プラットフォームをつくる」
--具体的には
「健康医療分野を大阪のスマートシティーの一丁目一番地にしたい。大阪・関西万博が開かれる2025年までに大阪の健康寿命を全国平均より長くするなどの目標を作る。日本は子供から大人まで健康診断を受け、世界有数の膨大なデータがあるが、使いこなせていない。ビッグデータを管理し活用するため、今年8月ごろまでに企業と組んだ会議体を作りたい」
--企業を巻き込む意義は
「われわれの重要な任務はベンチャーの育成だ。斬新な技術はあってもデータがない企業がビジネスモデルを作り、データを活用できる環境を整えたい。民間の技術や人材を生かし、企業は利益を出す。そのサイクルで持続可能な仕組みを作る」
(井上浩平)
"シティ" - Google ニュース
May 05, 2020 at 07:55PM
https://ift.tt/3b6jYBU
大阪府、夏にも企業とスマートシティ会議体を発足(産経新聞) - Yahoo!ニュース
"シティ" - Google ニュース
https://ift.tt/33Oilpr
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update
Bagikan Berita Ini
0 Response to "大阪府、夏にも企業とスマートシティ会議体を発足(産経新聞) - Yahoo!ニュース"
Post a Comment