行方不明５人、懸命の捜索 知人ら無事を祈る - 大分合同新聞

大分川沿いで行方不明者を捜索する県警機動隊員＝１０日午前１０時６分、大分市横瀬の国分橋付近

　豪雨で行方不明になっている由布、日田両市の男女計５人の捜索は１０日も続いた。県警、消防などは計約６０人を投入し、それぞれが流されたとみられる川沿いで茂みや泥をかき分けた。「どうか無事でいて」。不明者と交流があった人たちは祈っている。
　１０日も断続的に雨が降った。大分市横瀬の国分橋付近では県警機動隊の５人が河川敷で活動。草木と泥に覆われた足元を棒で探り、遺留品などの手掛かりがないか調べた。
　７日深夜。由布市湯布院町湯平の旅館業渡辺登志美さん（８１）ら家族４人が大分川支流の花合野（かごの）川に流された。車で避難していたとみられる。登志美さんが遺体で見つかったのは８日午後。約１５キロ離れた同市挾間町谷の大分川沿いだった。娘の由美さん（５１）と夫の知己（ともみ）さん（５４）、夫婦の長男健太さん（２８）の行方は分からず、車も不明のままだ。
　挾間町内の４０代男性とも連絡が取れていない。車は同町挾間の黒川（大分川支流）に転落していた。
　捜索は背丈以上の茂みが行く手を阻む場所も少なくない。小隊長は拡声器を使って「見落とさないように列を崩さずに進め」と小まめに指示を出した。雨脚が強まったため、午後３時までに中断した。
　湯平温泉旅館組合長の新開勝さん（５３）によると、渡辺健太さんは約１年前に湯平温泉を宣伝するアニメキャラクターの制作を担当。温泉街に新しい風を吹き込んだ。「活性化に貢献できるまでに成長していた。早く見つかることを願っている」と話した。
　日田市では天瀬町赤岩の自宅から流された民宿経営小森孝子さん（７２）が不明になっている。

※この記事は、7月11日 大分合同新聞 22ページに掲載されています。

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