
特別警報級の台風10号の接近に伴い、九州・沖縄では自治体や生産者が警戒感を強めている。収穫期を迎えた梨産地では4日、最悪の事態に備え、生産者は出荷作業を急いだ。7月豪雨の爪痕も残る被災地では、各自治体は住民の安全確保へ、避難所の増設や避難の呼び掛けに懸命だ。
佐賀県のJA伊万里管内では、3日に接近した台風9号では収穫期を迎えた梨の一部が突風で落果。収穫を来月に控えた品種も落ち、出荷できなくなった。「これ以上の被害は抑えたい」。JAの呼び掛けもあり、農家は出荷作業を急いでいる。 伊万里市にあるJA南波多梨選果場は4日、朝から主力品種「豊水」の選果作業に追われた。集荷は11日までを予定していたが、台風10号の接近に伴い、JAは前倒しで収穫を進めるよう出荷者に呼び掛けた。 選果場場長も務める田中信浩さん(60)の園地150アールでは、袋が掛かったままの果実が台風9号で約1トン落果。損失は30万円以上を見込む。「豊水」「あきづき」の他、収穫適期が先の「王秋」「新高」「愛宕」も落ちた。 袋を取ってすき込めば堆肥になるが、田中さんは「無事な梨の収穫を優先するため、手がつけられない」と嘆く。同日は選果場の業務から離れられない田中さんに代わって家族が収穫作業を進めた。「祈ることしか今はできない」と天を仰ぐ。 同市は「伊万里梨」のブランドを持つ県内一の梨産地。JAによると、今年は暖冬による生育不良などで、出荷計画量は前年より約1割少ない2125トン。 担当者は「台風9号の被害に加え、勢力が大きいとされる10号で影響が出れば、出荷はさらに減る」と懸念する。果実を枝にくくり付けるなどして被害を軽減するよう呼び掛ける。
避難所増設急ぐ
7月豪雨で大きな被害があった九州の自治体は、被災者向けの仮設住宅開所や農地復旧はこれから。一連の作業や日程が遅れる恐れもある。 熊本県球磨村は、7月豪雨で球磨川に土砂がたまり「少しの雨でも水位が上がりやすい」(総務課)状況。1日2回の防災無線で早めの避難を呼び掛ける。6日には新たな避難所を開設する。 7月豪雨後は、6カ所の避難所と福祉施設で165世帯310人が生活する。相次ぐ台風接近で、避難所の集約は見送った。 7月豪雨の被害を免れた一部の水田について、村は事前の水路の調整などで被害を抑えたい考えだが、どこまで防げるかは不透明だ。 同県芦北町では7月豪雨後、25世帯46人が避難所で暮らす。仮設住宅の開所を9月中旬に予定するが「台風で日程が遅れるかもしれない」(総務課)と懸念する。台風9号接近時は7カ所の避難所を開設したが、高齢者が避難しやすいよう17カ所に増やす。 農地復旧は測量の準備段階だが、台風の影響次第で復旧が遅れる恐れもある。現在は農家が個々に重機を使って土砂を撤去しており、町は「命を最優先に行動してほしい」(農林水産課)と話す。 福岡県久留米市では7月豪雨後、8世帯20人が避難中。台風の影響で避難が長引く恐れがある。通常、台風時は避難所を50カ所確保するが、「密」の回避や高齢者の移動距離短縮のため増設。「早めの避難を」(防災対策課)と呼び掛ける。 市は、野菜のハウスや農機具が飛ばされることも懸念。自身の安全確保を優先した上で、ハウスの被覆資材の撤去、農機具の収納などを促す。
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September 05, 2020 at 05:07AM
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特別警報級の台風10号接近 豪雨被災の九州で募る不安 梨収穫「祈るしか」 佐賀・伊万里(日本農業新聞) - Yahoo!ニュース
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