[ウィルミントン(米デラウェア州) 14日 ロイター] - 米民主党大統領候補のバイデン前副大統領は14日、西部で続く史上最悪規模の山火事について、トランプ大統領が地球温暖化による影響を認識していないと非難した。一方、トランプ氏は視察先のカリフォルニア州で森林管理が被害を抑制する鍵になると述べるなど、この問題が11月大統領選の争点に浮上している。
オレゴン州、カリフォルニア州、ワシントン州で猛威を振るう山火事は8月以降、160万ヘクタールに被害が拡大し、少なくとも25人が死亡した。
民主党から史上最大規模の山火事にも沈黙を守っていると批判されてきたトランプ大統領はこの日、カリフォルニア州を訪れ、消防隊員や当局者と面会。気候変動が火事の要因かと記者団に聞かれ、「管理の問題という要因が大きいと思う」とし、迅速に対応できる課題として森林管理の修正を挙げ、気候変動については各国が関係するため時間がかかると述べた。
トランプ氏はこれまで気候変動が「デマ」という見解を示し、2017年には気候変動対策の国際的枠組み「パリ協定」からの脱退を表明した。
バイデン氏は地元デラウェア州で、異常気象が火事の勢いを強めているという気象科学者の見解に言及。トランプ氏を「気候放火犯」と呼び、「トランプ氏の気候変動否定がもう4年続けば、どれぐらいの郊外地域が山火事で焼失することになるだろうか。どれぐらいの人が家を追われるだろうか」と訴えた。
カリフォルニア州のニューソム知事は、同州が森林管理に十分対応してこなかったと認めたが、地球温暖化が火事を増幅させているとした上で、州内の森林の57%が連邦政府の管理下にあると指摘した。
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