【10月26日 AFP】欧州で新型コロナウイルスの第2波が猛威を振るう中、スペインは25日、国家非常事態を宣言した。イタリアも感染防止策として活動制限を強めている。
スペインのペドロ・サンチェス(Pedro Sanchez)首相は新たな非常事態を宣言し、カナリア諸島(Canary Islands)を除くスペイン全土で夜間の外出を禁止とした。これに先立ち、スペインは新型ウイルス感染者数が欧州連合(EU)加盟国で初めて100万人を超えたと発表。サンチェス氏は「私たちが置かれている状況は非常に困難だ」と述べた。
当初、欧州の新型ウイルス感染拡大の中心地だったイタリアも、日常生活に関わる制限措置を強化。劇場や映画館、ジムの閉鎖、バーやレストランの営業時間短縮を命じた。
中国・武漢(Wuhan)で昨年末、新型ウイルスが初めて確認された後、当初取られた厳しい封鎖措置により各国経済は既に打撃を受けているが、各国政府は経済を活性化する必要性と新たな制限措置とのバランスを取るのに苦戦を強いられている。
しかし、人々は社会的孤立と経済苦に疲弊しており、より厳格な制限措置に反発を示している。イタリアの首都ローマで家族経営のシーフードレストラン「ラ・トッリチェッラ(La Torricella)」を所有するアウグスト・ダルフォンシ(Augusto D'Alfonsi)さんは、新たな制限措置の発表を受けAFPに、「これは私たちを破滅させる」と明言。「今年、既に顧客の50%を失った。政府の補助金なしには、私たちはもう終わりだ」と話した。ローマでは24日夜から25日未明にかけ、極右グループ数十人が夜間外出禁止令に抗議するデモを実施。花火を打ち上げ、ごみ箱を燃やし、投射物を放って抗議し、警察の機動隊と衝突した。
スペインでも制限強化に反対する声が出ているが、制限が必要だと受け入れる声もある。北部バリャドリード(Valladolid)の学生、フアン・ペラヨ(Juan Pelayo)さん(17)は「外出禁止令は、最近よく外で飲酒する人には適切だ、なぜなら私たちの年齢では人々はよく出かけるし、コントロールされていない」などと話した。(c)AFP
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