スペイン北部の観光地、サンタンデール。ここでは、膨大なゴミの処理が課題となっていた。その課題を、最先端の IT技術を使って解決しようという取り組みが進められいる。
ここは、自治体からゴミの収集を請け負っている会社だ。タブレット端末などのIT技術を駆使して、効率的なゴミの回収方法を実現させている。取材に行ったこの日は、段ボールの収集日だったが、作業員たちは、ゴミの回収に行く前に、まずタブレット端末でその日に向かう収集ボックスの場所を確認していた。というのは、回収に向かう収集ボックスのルートが日によって変わるからだ。
右：収集ボックスのフタの裏のセンサー街中には、数え切れない数の収集ボックスが設置されているが、実はタブレット端末には、段ボールがたくさんたまった収集ボックスしか表示されない。収集ボックスには、全てセンサーが取り付けられていて、ゴミの量がタブレット端末にリアルタイムで送られてくる仕組みだ。そのため、ゴミを回収すべきボックスの優先順位が瞬時に判断され、回収ルートも自動的に表示されるのだ。
この日の回収作業でも、中身が少ない収集ボックスは素通り。車をとめて回収するのは、一定以上の段ボールがたまったボックスだけだ。こうした効率的な回収方法で、人件費などのコストを15%削減。ごみ収集会社の責任者は、自治体の財政の健全化に貢献するなど、様々なメリットがあったと言う。「ルートの効率化だけじゃないですよ。ニ酸化炭素の排出削減や、騒音の軽減などの効果も得られました」（ごみ収集会社幹部 サンティアゴ・ディアス・サバラさん）。
サンタンデールでは、ゴミ回収の効率化だけでなく、交通渋滞の解消にも乗り出している。道路に埋め込んだセンサーで、駐車場の空き具合を把握。市民のスマホに情報を送ることで、駐車場を探し回る車で発生していた交通渋滞を８０％も減らし、データを活用したまちづくりを進めている。
サンタンデール へマ・イグアル市長「スマートシティ化で取り入れた、さまざまなサービスをーつに集めて、住民の暮らしの質の向上につなげていくことが重要です」（サンタンデール へマ・イグアル市長）。
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April 14, 2020 at 05:04PM
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