「落ち着くのを祈るだけ」 甲子園19回出場・育英(兵庫)は終息の日まで不安と向き合う
2020.05.09
写真は2019年12月から
長期休みも空け、いよいよ夏の大会までラストスパートに入るのが例年だが、今年は新型コロナウイルスの影響でほとんどの学校が活動自粛中。日に日に状況が変わり、現場は慌ただしい日々が続く。全国有数の激戦区・兵庫で戦う育英も、そんな学校の中の1つ。3月から活動を自粛しており、5月いっぱい練習ができないこととなっているのが現状だ。
部長としてチームに携わる足立竜司先生に電話取材でお話を聞いたが、先が見えない状況に困惑している様子がわかった。
「社会がどうなっていくのかわからないのですし、方針が固まらないと活動再開後からの練習メニューも組んでいけないです。そうすると、選手たちに対しても指示が出しにくいので、『個人で高い意識をもって取り組むように』としか伝えられない状況です」
自粛に入る前に、必要最低限のメニューを伝えてある育英。素振りやダッシュ、体幹トレーニングなど自宅の近くで出来るようなメニューを中心に、選手たちは自主練習を重ねる日々。育英では学年ごとに担当の先生をつけて選手たちとコミュニケーションを取っており、練習状況を確認している。入学式も出来ることができており、1年生とは少しずつ交流が出来るようになってきたが、全員とはできていない。
またコミュニケーションは取れているものの、選手たちの表情が見えておらず「不安ですが、選手たちを信じるしかない」と足立部長は語る。あくまでも選手たちの健康を最優先に考えているものの「現状が落ち着くのを祈るだけです」と事態の終息を待つ育英。
どの学校でも同じような状況、そして同じ想いをもって毎日を過ごしている。当たり前のようにできていた野球が再び戻ってくるのはいつになるのか。我慢の時期はもう少し続く。
(取材=編集部)
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