相馬市沿岸部の東日本大震災の津波被災者でつくる東部再起の会と震災物故者慰霊流灯会実行委員会は三十日、同市尾浜の摂取院にある慰霊塔前で震災犠牲者の冥福を祈った。
両会は震災が発生した二〇一一(平成二十三)年から、お盆の時期に合わせて毎年八月、震災物故者慰霊流灯会を開いてきた。例年は、読経や住民らによる焼香、真言宗豊山派青年部の太鼓演奏に続き、漁船から漁港内に灯籠を流して犠牲者に鎮魂の祈りをささげる。今年で節目の十回目となるはずだったが、新型コロナウイルスのため来年への延期を決め、両会役員が焼香のみ行った。
十五人が参列し、震災が発生した午後二時四十六分、海に向かい黙とうした。摂取院の鈴木弘隆住職、鈴木俊隆副住職が読経する中、参列者が一人ずつ焼香し、最後に流灯会で流す予定だった紙の灯籠二基を炊き上げて犠牲者の冥福を祈った。
東部再起の会の安達利郎会長(69)は「焼香のみの形でも継続することで、震災を風化させず、多発する自然災害にも立ち向かう気持ちを表したかった」と話す。十回目の流灯会開催をもって両会は解散することを決めている。安達会長は「新型コロナが一日も早く収束し、来年こそ最後の流灯会を開催して我々の思いを次世代につなげたい」と願った。
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August 31, 2020 at 07:49AM
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