【カイロ=上地洋実】米地質調査所(USGS)によると、トルコ西部のエーゲ海で30日午後2時50分(日本時間30日午後8時50分)頃、マグニチュード(M)7・0の地震があった。震源はギリシャ領サモス島から北北東約15キロ・メートルの地点で、震源の深さは21キロ・メートルと推定される。トルコ当局などによると、トルコとギリシャで少なくとも26人が死亡したほか、180人が行方不明となっており、さらに死傷者が増える可能性がある。
エーゲ海沿いのトルコの都市イズミルでは、アパートやオフィスなど17棟の建物が倒壊した。トルコ災害緊急事態対策庁によると、24人が死亡し、約800人が負傷した。地震後には海面が上昇し、沿岸部の一部地域では小規模な津波が発生した。
倒壊現場には3200人以上の救助隊員と20頭の救助犬が投入され、救助活動が夜通し続けられている。17棟のうち8棟で救出作業が完了し、がれきの中から70人以上が助け出された。
イズミルでホテルを経営するウフク・ドシェメジさん(38)は、「多くの地震を経験したが、こんなに長く揺れたのは初めてで恐怖を覚えた」と振り返った。余震も続いており、主婦のトゥライ・カイセリさん(55)は、「また大きな地震が来るのが怖くて、家のドアを開けっ放しにしている」と語った。
ロイター通信によると、サモス島でも壁が崩れるなどし、2人が死亡したという。ギリシャのキリヤコス・ミツォタキス首相はトルコのタイップ・エルドアン大統領と電話で会談し、トルコへの援助を申し出た。
在イスタンブール日本総領事館によると、これまでのところ在留邦人の被害は確認されていない。
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