トランプ大統領の焦りの表れか――。
2度目で最後の直接対決となった22日の米大統領選の候補者討論会。前回は民主党のバイデン前副大統領が話している最中にトランプが遮って議論にならず、「史上最低」と酷評されたが、今回、トランプはほとんど妨害することなく、驚きの冷静さだった。マイクの音声を消された各テーマ冒頭2分間に黙っていただけでなく、発言したい時に司会者に「ちょっと話させて」と謙虚に“お伺い”を立てる場面まであったのだ。
前回の妨害行為は共和党関係者からも「あれでは逆効果だ」と批判されていた。最新世論調査(21日)の全米支持率平均は、バイデン50・7%、トランプ42・8%。投票日まであと10日ほどとなり、トランプの尻に火がついている。
コロナ禍で実施される今年の選挙は異例ずくめだ。期日前投票や郵便投票が激増している。投票総数は最終的に1億5000万票を超える見通しだが、そのうち郵便投票は8000万票にもなるとの予想もある。郵便投票の開票にあたっては、事前に登録されたサインと照合する本人確認が必要なので手間がかかり、11月3日の投票日の夜には結果が出ず、勝敗が決まらないとみられている。
■FLではすでに集計がスタート
そんな状況下で、専門家が注目するのは激戦州の中でもフロリダ州(FL)の結果だ。開票作業は州ごとに異なり、FLは既に今月12日から期日前投票と郵便投票の集計が始まっている。もちろん集計結果は投票日まで公表されないが、投票日まで集計できない他州よりも開票が早く進む可能性があるのだ。
共和党と民主党の支持層がほぼ拮抗し、毎度、大接戦のFLだが、16年選挙はトランプが勝った。しかし、新型コロナウイルスの影響を受けやすい高齢層が多く、今回は意外なトランプ離れでバイデンに引き離される恐れもあるという。もしFLでトランプが負ければ、全体の結果でもアウトとなる可能性が高い。
「FLは全米で、カリフォルニア州(CA)、テキサス州(TX)に次いで、ニューヨーク(NY)州とともに3番目に選挙人数が多い。CAとNYは民主党の牙城で、元来、共和党が強いTXは今回、激戦になってきている。ですからトランプ大統領は、何としてもFLで勝ちたい。FLが取れなければ、トランプ氏は敗北が濃厚になります」(国際ジャーナリスト・堀田佳男氏)
トランプは、FLを死守できるのか。もっとも、負けても簡単に敗北宣言するようなタマじゃないだろうが。からの記事と詳細
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