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欧州的なクルマ文化を感じた ホンダ・シティカブリオレ(朝日新聞デジタル&[アンド]) - Yahoo!ニュース

【&M連載】小川フミオのモーターカー

あっても使わない。でもあると嬉(うれ)しい。なぞなぞのようなものが、コンバーチブルの幌(ほろ)だ。見た目がかっこいいので、日本でもそれなりに人気だが、実際に開けて走ったことはほぼ皆無、というケースが多いのだとか。「ホンダ・シティカブリオレ」も、少なくとも見た目のよいコンバーチブルだ。 発表は1984年。ベースになったシティ・ターボ ll に半年遅れての追加設定だ。8月に登場して、ジャーナリスト向けの試乗会は、たしか真夏の葉山だったような。 当時ホンダは、広報車といって、雑誌などが記事を書くために借りるクルマにエアコンを装着していないケースが多く、私の記憶は“暑い”クルマ、である。カブリオレが本領を発揮するというか、その魅力を堪能できるのは秋から春にかけてだ。真冬も悪くない。 伊のピニンファリーナがボディーと幌の設計を手がけただけあって、きれいにまとまったスタイルである。幌は厚めの耐候性の高いタイプ。リアウィンドーはガラス製だ。 ソフトトップとも呼ばれる幌を開けると、前席の背後には横転時に乗員を保護するためのロールオーバーバーが残り、かさばる幌は、ゴルフ・カブリオレのように大きく盛り上がる。

全長3.4メートルしかないのに全高が1.5メートルに垂(なんな)んとする、シティの特徴だった、いわゆるトールボーイスタイルは、カブリオレでもそのまま生かされた。 車体色が12色もあり、ずらりと並べるとオモチャ箱のようだったのを覚えている。シートは、幌を開ける機会が少ない人向けにファブリック張りのタイプと、幌を開けるのが好きな人向けのPVCビニールレザー張りが用意されていた。 67馬力の1231ccエンジンで、パワーはそこそこ。ターボ ll は110馬力を超えていたので、運転しての面白さという点では到底かなわなかったけれど、楽しさでは負けていない。価格も発売当時138万円もして、ターボ ll より高かった。 初代シティのよさは、ホンダで商品企画を担当していた人たちが、多様なスタイルを盛り込んだことだ。オリジナルのシティのあと、ハイルーフ、ターボ、より高性能のターボ ll 、そしてさらに高性能のブルドッグといった具合に製品が追加された。 小さなクルマだけれど、ここには一種のクルマ文化がある。カブリオレが登場したとき、私はそう思った。欧州ではコンパクトカーでもカブリオレを作るケースが多い。“日本ばなれしたメーカー”というのが当時のホンダの評判。まさにその通りのモデルである。 (写真=ホンダ提供) 【スペックス】 車名 ホンダ・シティカブリオレ 全長×全幅×全高 3420×1625×1470mm 1231cc4気筒 前輪駆動 最高出力 67ps@5500rpm(5MTモデル) 最大トルク 10.0kgm@3500rpm(同上) ■著者プロフィール 小川フミオ クルマ雑誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。新車の試乗記をはじめ、クルマの世界をいろいろな角度から取り上げた記事を、専門誌、一般誌、そしてウェブに寄稿中。趣味としては、どちらかというとクラシックなクルマが好み。1年に1台買い替えても、生きている間に好きなクルマすべてに乗れない……のが悩み(笑)。

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August 31, 2020 at 04:56AM
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